ご挨拶

MESSAGES FROM THE CHAIRMEN

 

公益財団法人 矢崎科学技術振興記念財団
最高顧問
(矢崎総業株式会社 名誉会長)

 

矢﨑 裕彦

矢﨑 裕彦

 

 当財団は、矢崎グループの創業40周年記念事業として1982年に設立され、以来42年にわたり、研究開発の支援を通して日本の科学技術の振興に微力を尽くしてまいりました。 これもひとえに、関係当局のご指導と関係各位のご理解、ご協力の賜物と存じます。
 今後も、矢崎グループの社是である「世界とともにある企業」「社会から必要とされる企業」を具現化する活動として、当財団の活動を支援していきたいと考えておりますので、引き続きご指導、ご鞭捷を賜りますようお願い申しあげます。
 さて、世界の現況を見ますと、緊張した国際情勢、グローバルな政治・経済構造の変容、地球温暖化の進行、AIの進化による社会への影響など多くの不確実な要素があります。一方、国内では、甚大化する自然災害や少子高齢化という根幹の課題に一層の取り組みを図るべき状況にあります。
 このような状況の中で、矢崎グループも諸策に取り組んでおりますが、その時に忘れてならないのは「人」という経営資源をいかに活用するかであります。ご承知のように日本は地下資源の乏しい資源小国でありますが、「人」という地上資源では世界に誇れる大国であります。私は、官民挙げてこれを育成、強化していくことが日本をより価値ある国へとしていくものと確信しております。
 中でも、科学技術の発展を担う研究者の活動を支援していくことの重要性は、改めて申しあげるまでもありません。
 独創的な研究開発に携わっていらっしゃる研究者各位が、世界をリードする成果をあげられ、日本のみならず世界の人々のくらしに貢献されますことを心より期待しております。

 
 

公益財団法人 矢崎科学技術振興記念財団
理事長

 

佐藤 慎一

 

 2024年度を迎えるに当たり一言ご挨拶申し上げます。
 我が国はいま歴史的大変革の渦中にあります。「これまでの常識」が「これからの非常識」となり、「これまで考えてもみなかったこと」が「これからの常識」になっていく時代がそこに来ています。とりわけ、デジタル化による私たちの生活や産業の変化は著しく、「DX」という言葉は既に人口に膾炙しています。
 こうした劇的変革を牽引しているのが科学技術の力です。
 いうまでもなく科学技術力は国の基であり、科学技術振興は、「官」と「民」との共創によって進められなければなりません。これまで、当財団も「民」の立場から科学技術の研究開発を担う若手研究者を対象として着実に助成・支援して参りました。
 こうした中、当財団は42年の長きに渡り活動を続け、設立40周年の節目に研究助成について従来の助成分野に新たな研究分野を加えるなど、研究者の皆さんが使いやすくなるよう思い切った見直しを行いました。今後も引き続き精力的に研究助成・支援を行って参りますが、他方で、科学技術分野の新たな進展をも踏まえながらその活動内容を進化させていく考えです。
 当財団には、これまで培ってきた良き経験と伝統があります。今後とも、これをきちんと継承しつつも、科学技術分野の新たな展開を十分に織り込みながら活動内容をより進化させ、これによって多くの研究者の方々の尊い「チャレンジ」を「当財団らしく」積極的に支援してまいる所存です。
 皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。